霊園・墓石

お墓の知識

お墓は誰もがいつしかお世話になります。しかしながら、お墓について何も知らないという人が多いのではないでしょうか。ここではお墓選びで最低限知っておきたいことについて紹介します。

石の種類と特徴

 日本の墓石には、花崗岩(かこうがん)、閃緑岩(せんりょくがん)、斑レイ岩(はんれいがん)、安山岩(あんざんがん)などが使われています。花崗岩はみかげ石(御影石)とも呼ばれ、最も多く使用されています。良質のみかげ石は変化しにくく、「永遠」を象徴します。また、「先祖のお陰(御影)を知って、その意志(石)を継いでゆきます。」という心の表れとして「御影石」を使用すると言われています。

 一般的に外国産より国産のほうが質が良いという印象をもたれますが、石は鉱物なので、気候・風土・国境に直接関係しません。ダイヤモンドの大半がアフリカ産であるのが良い例です。

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お墓に適した石とは

 お墓には、石の目が比較的細かくてムラの無い、均一のものが適しています。品があり、文字を彫った時、はっきりと綺麗に見えるからです。また、石は水を吸いますので、吸水率の低いものや、吸ってもすぐ乾くものが良いでしょう。水はけの悪い石は、数年で水垢などが残り、変色したように見え、見栄えが悪くなります。吸水率の良し悪しは見た目には分かりませんが、吸水率が高い石程、安い価格で出されていますので、購入の際には注意が必要です。

色調

 みかげ石は、白と黒以外に、青系、緑系、赤系といった様々な色があります。一番多く使われる色は、グレーです。グレーには濃い色から薄い色まで何十種類もあります。石の色は質の良し悪しに差はありませんので、好みによってお選び下さい。

  • グレー葵石
  • 緑系深緑石
  • 赤系桃木心石
  • 茶系クリスタルブラウン
石の硬さ

 石には軟らかいものと硬いものがあります。軟らかいものは灯篭や地蔵などの石彫刻品に使われます。墓石には最も硬いものを使用します。墓石の風化を心配される方がいますが、人間の寿命よりはるかに永く、現在使われている石が風化する姿を確認するには、何代先になるか分かりません。

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お墓の形・種類

各部の名称名古屋型墓石例 各部の名称

 お墓の型は全国各地域によって様々です。名古屋周辺では、名古屋型といわれる角柱三段型が一般的です。地域によって、関東型、京都型、関西型を使用します。二段型や納骨室を備えたものや、棹石(さおいし)や香鉢(こうばち)、花筒(はなづつ)などが、少しずつ異なっています。現在では、はっきりとした区分が崩れ、何々型といえないものが出ています。また角柱三段型を基本にしたものを和型と呼び、棹石が横長の長方形のものを洋型と呼びます。昨今では、和型と洋型の中間のもの、洋型をモニュメント化したものなど、様々なデザインのお墓が建てられるようになりました。また、五輪塔という形のお墓もあります。五輪塔は供養塔や先祖代々のお墓として使われています。5つのパーツに分かれており、それぞれ「空・風・火・水・地」の意味を持っています。


  • 和洋型和洋型
  • 洋型洋型
  • 五輪塔五輪塔

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お墓に刻む文字

 棹石の前文字は、近年ほとんど合忌墓のため、和型は、「○○家之墓」「先祖代々之墓」と彫刻するのが一般的です。また宗派によって異なりますが、「南無阿弥陀仏」「南無妙法蓮華経」、「具会一処」等を刻む場合も多いようです。神道の方は「○○家奥津(都)城」と彫刻するのが一般的です。他にも「和」「心」「絆」などの言葉が洋型タイプに多く見られます。

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お墓建立までの流れ

 契約から完成まで、約50日程度です。設計、見積もり、現地下見などを合わせると、1ヶ月〜2ヶ月が目安になります。ゆとりのあるプランをお勧めします。

1.墓地を入手する 宗旨・宗派、立地・アクセス、価格、環境、設備、管理体制等を考慮してご入手下さい。
2.石材店を決める 対応、技術、料金体系、アフターサービス等を考慮してお選び下さい。
3.墓石のデザインを決める 型、石種、文字、付属品等を決めます。
4.墓石の施工  
5.完成  
6.開眼供養(魂入れ) 単なる”石”から故人の霊を宿す”墓”に変えるための儀式です。通称”墓開き”とも言います。開眼供養の日程は、建墓時、納骨時、あるいは年回忌に合せて行うことが多いです。

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